劇団たんぽぽ「うそつき大ちゃん」

長男坊の小学校で毎年この頃に公演に来て下さる、劇団たんぽぽさん。
楽しみで楽しみで仕方がないのだ。
子供が入学してから、今回で5回目。
これまで観たのは「長い長い郵便屋さんのおはなし」「どえらいでぇ!みやちゃん」「赤ガラス大明神」「ふしぎの森のヤーヤー」

私自身が、演劇というものに興味を持った最初のきっかけが、劇団たんぽぽさん。
演劇というか、表現というか。会話、歌、生効果音、時折観ている子供たちとのやりとり。最後のたんぽぽのテーマソング。
自分の小学生時代にも、毎年のように小学校に来てくれて、いつもは、体育や始業式などの行事を行なう体育館が、この時だけは、素敵な舞台と客席に変わっていて、非日常的というか、なんとも不思議な気分にさせてくれたものだ。

それは、子供の母親となった現在でも変わらない。
小学校卒業後、20年以上経っていたのに、あの頃のワクワク感が健在なのは、劇団たんぽぽさんが変わりながらも変わらないものを持ち続けて(ちょっと日本語変?)、ずっと公演をされている証しではないだろうか。

今回も、いつもの体育館が一つの劇場のような、あの不思議な空気に包まれていた。
もうこの空気で私は泣きそうになってしまうのだ。
子供の頃に感動したものがよみがえるのと同時にそれを思い起こしてくれるたんぽぽさんにカンシャカンシャな気持ちなのである。

自分が子供の頃に見たのも含めて、今回は舞台が正反対の位置にあるというのは初めてのこと。
毎回、体育館のステージが使われていたり、また、ステージの前に舞台を設置したりということはあった。
しかし、全く反対側にステージが組まれていて、体育館ステージは、上級生の客席となっていた。

今回の作品は、「うそつき大ちゃん」
タイトルからしてそそる。原作は、もともとあるようだ。本にもなっている。今度買おうかな。

「うそつき大ちゃん」作品紹介(劇団たんぽぽHPより抜粋)
大ちゃんはいつも一人。一人で寄り道(よりみち)ばかりしている。
大ちゃんはみんなから「うそつき大ちゃん」とよばれている。だって通称(つうしょう)「ドブ川」とよばれている家下川(やしたがわ)に魚がいるっていうんだ。それも60センチの鯉(こい)だって!しかもアユやウナギもいるんだって。さらに巨大(きょだい)ネズミも!!
…大ちゃんは何で「うそ」ばかりつくんだろう…。「うそつき大ちゃん」。寄り道ばかりの「うそつき大ちゃん」。
そんなある日、ぼくは大ちゃんと二人きりで、家下川の河原(かわら)を歩いた。そこでぼくは知った。家下川に60センチの鯉が本当にいるってことを。巨大ネズミの巣もあった!
大ちゃんが言ってたことは本当だったんだ!
…ぼくの心は痛んだ。だって大ちゃんは「うそつき」なんかじゃないんだから。
それからぼくは大ちゃんといっしょにいる時間が長くなった。いつもの景色(けしき)がぜんぜんちがう!大ちゃんといると新しい発見がいくつもあって、ぼくの心はワクワクした。
大ちゃんとぼくの冒険(ぼうけん)がはじまった!


大ちゃんは、タイトルに反して、うそつきどころか、とても素直な男の子だった。
まわりの噂なんかも気にしない子。
ちゃんと自分を持っている子。それでいて、周りの人のことも信じる子。
一つ一つに感動して、自然とも仲良くできて。


普段は、周りのいうことをきにして、良い子にしていなきゃとか思う子がいたり、思ってもいないことをついつい悪口いってしまったり、
わーわーいって大騒ぎするのが目立ってカッコいいとしていたり・・
そんな子供たちも、きっと本来は、だいちゃんのように、素直なんだよなあって思う。素直になりたいって思ってるんだと思う。
自分に素直になるって、実は考え出すととてもむずかしくなっちゃって、それがいつのまにか、はずかしいこととされてしまって。
いつからだろう、自分をかっこつけようとしはじめたのは。


それから、今や情報社会のこの世の中。ネットなどの情報が本当とされたり、逆に本当のことが、自分は観たことないからそれは嘘、と決めつけてしまったり。
いつの間にか、情報に踊らされて頭の中でだけ体験したつもりになって本当のこととなってしまっていることも少なくない。
でも、経験に勝るものなし。
そんなことも今回は教えてくれた。
いつからだろう、自分の意見は正しい、相手の意見は間違っていると、勝手に判断し出したのは。

認め合うことの大切さも、痛感。

今回も、歌入り満載。
決して、ミュージカルというわけでもない。
歌入り芝居、という感じだ。その違いを説明するのはちょっと難しいけれども・・・。それが好き。今、自分の活動しているオトナ青春団がよく取り入れる歌入り芝居の原点といってもよい。
そして、今回も、効果音を目に見えるものだったり、演者が効果音役?や、情景役をするところも好き。
そしてそして、やはり、たんぽぽのテーマソングを最後に聞くのが、〆のお茶を飲んだ感じで、そのまま鼻歌を歌ってかえりたくなるのである。

やっぱり、こういった、小学生向けの公演は、大人にこそ観て欲しいと毎回思う。
メッセージがストレートにくる。
子供が普段、なかなか言えない言いたいことを代わりに言われたようなメッセージ。
当時、こうなりたいと思っていた自分自身が子供の頃の心の中から届いたようなメッセージ。
そして、子供も大人も関係ないワタシ自身へのメッセージ。
毎回私は、いい意味での衝撃を感じます。

そしてなんといっても、子供たちも観てるわけだから、帰って来てから、家庭でお芝居の話で盛り上がることがとてもうれしい。
こどもには、なんとなくてよいから、面白かったー楽しかったーって言う気持ち、忘れないでいて欲しいな。

私自身、小学校の頃に見たたんぽぽの芝居は、タイトルもあまり覚えていない。
龍の子太郎は、観た記憶が。あとは、1年か2年に観た「ぐるんぱ(もしくは、くるっぱー)だ」「くるくるぱ~?」というやりとりをしていたり、
ストロボなライトの中で面白い動きをしていたことなんかを記憶している。
あとは、野球のおはなし。最後の最後でキャッチできなかったラスト(だとおもう)で衝撃を受けた気がする。
それまで、めでたしめでたしなことがテレビなどでも多かったので、最後は大逆転してハッピーエンドだと思いこんでいたら、まさかの負け。
(まちがってたらごめんなさい)
・・とまあ、結局のところ、子供の頃の記憶ってこのくらいのもので、なんとなくなもので。でも、印象はとても強かった。

子供の頃に観ていたものを大人になった今、もう一度観てみたいなあ。

長男坊は6年生。もう、たんぽぽさんが観れなくなる・・?
いえいえ、来年度から次男坊が入学するので続く限りは観られるのだ。
お仕事とか始めるかもしれないけれど、一回でも多く観られたらいいなあ。

それから、たんぽぽさんは、学校以外でも、施設ホールでも公演されている。
実はまだそういった形の公演は一度も観ていない。
体育館で行なうのが、たんぽぽワールドと思っているので、なかなか、ホール公演は勇気が出ずにいけないでいた。
でも、今度行ってみよう。
どこで公演したとしても、あのたんぽぽワールドは健在に違いない。


今回の印象に残った台詞
「いいって、気にしない」
「ぼくってうそつき?」「ううん、うそつきじゃない」「じゃあ、ゆるす。」
「わからないからおもしろい。わかるともっとおもしろい。」

劇団たんぽぽさん、いつもありがとう!



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